あの頃のわたしに会いに行こう

あの頃のわたしに会いに行こう

「昔の自分、頑張ってたなあ」と、ふと思うことはありませんか? その頃好んでいたものを街で見かけると、つい手に取ってみたり……。

ニューヨークにいると、そんな折には日本製のものが気になります。

日本の食品は、クオリティーとコスパの良さでニューヨーカーにも人気。中でも、日本ではネットまとめ買いでしか手に入りにくいuccの缶コーヒー(復刻版?)が刺さります。

何十年も前、中高生だった頃に、月曜日の始発電車で必ず飲んでいました。東京近郊都市での週末実家ステイから、東京の学校に戻る車中です。冬だと真っ暗で、人はほとんど乗ってなくて……。

定期試験の前や高3受験期には、勉強しながら飲んでたっけ。当時まだ缶コーヒーは珍しくて、ご馳走に感じました。


ハイミルクチョコは、寄宿舎のデザートによく出ていたんです。夕食でも塩シャケ一切れにレタス、みたいな「朝食ですか?」なメニューで。中学生の頃までは、苦手なお刺身や豚の脂身も全て食べなくてはいけない規則で、細切れにして水で飲み込んでいました。

デザートも嫌いなみかんなどフルーツが多かった中、ハイミルクが出ると嬉しかったです。

それでも、悪巧み好きのわたしには、夢のように楽しい寄宿舎生活でした。このミッションスクールのおかげで、アメリカ音楽キャリアへの道すじも見えたし。

頑張ってた頃が懐かしくなるのは、たぶん心が前に進むスピードを少し緩めている時。そんな時にこそ、昔馴染みのお味が胸に沁みます。

あんなに一生けんめいだったあの頃のわたしへ。「頑張ってくれて、ありがとう!」