受験英語組の英会話マスターに、”24”など硬派ドラマがベストな理由
英会話のリスニング素材として、子ども向けアニメや恋愛・リアリティ番組を選んでいませんか?
もしかして「難しくなさそうだから」という理由? だとしたらそれ、大損してるかもしれません! とくにあなたが、大学受験で英語をガンバっていたならば……
なぜって、受験の頻出単語は、時事英語やアカデミック用語。だからせっかく単語を知っていても、残念ながらドラマ鑑賞に役立つとは限らないでしょう。最初に挙げたジャンルは、砕けた日常語(日本語でいえば「なんちゃって」「バッカじゃないの?」のように、文法解析がしにくいコトバ)ばかりだから。
フツーの会話では、入試問題みたいに「正式な確定の日程は?」なんて言いませんよね?「それっていつ本決まりなの?」とかでしょう?
TOEICの勉強をしている方も同様です。
ビジネス英語って、意外に生活の役には立ちません。日本で音楽事務所に勤めていたmintは、英語での難しい交渉なども担当。ですが、ニューヨークに来たら私の英語(当時TOEIC 840点)は、幼稚園児以下でした。
試しに、以下のカンタンな単語の意味をご存知でしょうか?
1. Hang out
2. Heads up
3. Honk
4. Sissy
5. Move on
日常会話でよく使われる初歩的な単語なんですけど、私はどれも知りませんでした。「どういう意味?」と聞いて、「え?!」と呆れられたり……。
答えは、1.(映画やご飯などに)一緒に出かける、2. 「気をつけて!」要注意、3. クラクションを鳴らす、4. 女々しい、5. (付き合っていた相手への)執着を捨てて次にいく、です。
ちょっとここには意味を書きにくいけど、make out(関係を持つ)なんていうのもありますね(デート関連用語)。
ということで、動画のジャンルでオススメ度が低いものから高いものへ、順番にコメントを入れていきますね。
ちなみに、海外旅行などで英会話がちょっと得意な”アンチ大学受験組”の方にとっては、オススメ度の順位は真逆(高→低)になります!
恋愛・芸能・リアリティ系 リスニング素材的オススメ度 ★★★(5段階中)
女性にはとりわけ人気が高いジャンルですよね。”ゴシップガール” ”フレンズ” ”アメリカン・アイドル” ”カーダシアン家” などなど……。
mintも今では大好きなジャンルですけど、アメリカに来た当時はまるで聞き取れなくて。何度も巻き戻して、英語字幕をガン見してました。
敗因は、後に述べるアクション硬派ものと違って、画面を観ているだけでは話が見えないから!
アクションものだったら、英語なんか大して聴けなくてもOK。「撃たれた!」「逃げた!」「やられた〜!」とわかるし、誰が敵か・悪者かはおよそ見当がついて、聞き流しで展開についていけるもの。
恋愛モノでは反対。ツンデレとか、ヤンデレとかポーカーフェイスが基本で。登場人物の誰もが、善良でもあり悪役でもあるのが普通。いくら画面を観てたって、アクションものみたいに走って追うわけではないから、恋の行方は見えません。ニュアンスが読めなくては……。
オマケに、受験英語組にとっては、知らない単語や言い回しが多すぎ。(単語の難易度としては易しいので、海外経験が多い方にはラクかも)
ただし人間、好きなものならいかに困難だろうが観たい! それが大事ですよね。惰性でなく、番組を厳選して観るのが良さそう。
アッパーイーストサイド(マンハッタンのセレブ地区)なんて素通りばかりのmintなのに、”ゴシップガール”にコロッとかぶれて、2回繰り返して観ました。あなたはセリーナ派? ブレア派?
mintのこのジャンルオススメは、上記のほかに”ギルモア・ガールズ” ”デスパレートな妻たち” ”セリング・サンセット”があります。
政治・実業系 リスニング素材的オススメ度 ★★★★
アクションものと恋愛ものの中間に位置するのが、このジャンル。立身出世にアクションと恋愛も少々絡んでいるかんじでしょうか。”スーツ” ”ブラックリスト” ”ハウス・オブ・カード 野望の階段”など。
単語は受験英語寄りで、キャラクターが立っているので、ニュアンスは恋愛ものよりは読みやすくなっています。逆に場面展開は、アクションものより読みにくくはなります。法廷で勝ったか負けたかは、さすがに表情だけでは断言しにくいですから。
2014年(トランプ v.s. ヒラリーの大統領選挙前)。mintが通っていたNYの英語学校で、シーズン1公開間もない”ハウス・オブ・カード ”がブーイングにあっていました。
この最上級クラスには、アメリカ医師/歯科医師免許を得てビザ待ちの人や、大学院博士課程の入試結果待ちの人など「英語を学ぶ必要のない人たち(学校談)」が在籍。(mintだけが例外)
そんなエリート集団にとってすら、字幕なしで「ハウス・オブ・カード 」を見るのは難題だったよう。クラスの終わりには、担当の先生イリヤの質問ひとつに感想コメントを一言書いて提出がノルマ。「わかってるフリ」というわけにもいかないのです。
チンプンカンプンなのはmintだって同じでしたけど、正直、「”デスパレートな妻たち”よりはまだわかる」と思ってました。
クラスメイトたちは、ビザ維持のためだけの登校とはいえ、向学心の塊。イリヤが難しいトピックを出すほど燃えるといった調子。なのに、このドラマだけはNGで……。
数人が「単語が難しくて筋がわからないから、やめてほしい」と愚痴りだすと、みんなが同調。
目利きで教育熱心なイリヤにとっては、心酔したドラマだったよう。最初は聞く耳持っていなかったので、反対派は「内容もつまらない」などとエスカレート。ついにクラス内で決戦投票に……。1シーズンも見終わってないのに、圧倒的過半数で退場が決まりました。
その後はご存知の通り、ドラマは空前のヒットに。その理由は、ジャンルの中間性かも。アクション硬派とリアリティ系、両ジャンルのファンを網羅していたからではないでしょうか。
日本では「イッキ見」という言葉を生み出すほどの人気だったとか? アメリカでも一説には「Netflixを救った」とも。政治に興味がなくてもオススメのドラマです!
(ネタバレ注意)野望の人フランクが大統領当選を狙い、その妻クレアの野望が動き出します。リアルでは、まるでこの展開をなぞるように、破格のダークホースが大統領になったり、元大統領の妻が大統領選に……。
このドラマが始まった当時(10年前)は、誰も今のようなアメリカ社会を予想していなかったでしょう。もしも未来が見えたなら、あのクラス投票の結果は違っていたかも……。
この中間ジャンルでほかのオススメは、”Breaking Bad”が断然です!”スターウォーズ アコライト”などサイファイ系も、そうかな。アクションではありながら、策略的に混みいってはいないので……。
アクション・硬派系 リスニング素材的オススメ度 ★★★★★
007などの映画だとまた違うみたいですが、ドラマとなるとこのジャンルの単語は上級です。なぜなら、壮大なスケールで国家機密だとか、政治経済戦略などが絡んでくるから。
ただし、受験で英語をちゃんとやった方にはかなり楽勝! 受験頻出単語が、そのまんま使えます。
”24” ”マニフェスト”ぐらいしか、mintは傾倒していないんですけど……。24は、3回は観ました。観終わると「もう一回!」とまた観たくなって……。
聴くのは少々難儀ながら、ストーリーの流れを追うのはカンタン。前述のように「殺った! 殺られた!」を観てればいいだけですから。(失礼!ストーリー自体ももちろん魅力的)
どんなことにでも共通して、わかりづらいとやる気も萎えがち。 単純明快で既存のスキルが使えれば、モチベーションも上がるものじゃないでしょうか。
受験英語系の方は、まずはこのジャンルから始めて、少し慣れてからリアリティ系など好みのジャンルに移ってもいいかも。
mintが子ども向けアニメなど簡易ジャンルをオススメしない理由は、「子どもと大人では生活圏が違うから」なんです。すぐに母国語以外を覚えるのは子どもだけ、と思われているとしたら、それは誤解。
NYでは、「どんな人でも生計の必要に迫られれば、3か月で話せるようになる」が定説です。例えばNYでも人気のタコ焼きを売る場合。金銭や商品のやり取りをするのに、覚えた言葉で料金を取らなければ、食いっぱぐれます。
となれば、誰でもオウムのように同僚や顧客の喋るのをコピーして、体感で覚えていきます。その内容は、5歳の子どもと同じではダメ。大人の生活なんですから……。
そもそも、生まれて5年間、”24”時間体制でガッチリ家庭英語を聴き続けた5歳児に敵うはずもありません。
mintもエリート集団のクラスに放り込まれた時は「なんてこった」と困り果てました。先生やクラスメイトが交わす激論が、半分もわからないんですから……。クラス分けテストが文法とリーディングだったのが、ミスマッチの原因(日本人あるある)。
だけど「クラスを替えなきゃ」と気づいた時にはもうみんなと仲良くなっていて、言い出せる雰囲気じゃなくて……。
結局、わかってるフリの”オウム”になり、いつしかモロ真似でなくても応用が利くようになっていました。(優秀なクラスメイトに感謝!)
だから、大学受験にしろなんにしろ、これまで目にしてきた英語と近い単語のコンテンツを選ぶのが効率的なリスニング攻略。口真似をするにも、「まずは聴いてから」。赤ちゃんも、話し始める前に散々聴いていますよね。
硬派コンテンツは、好みの分かれるところだとは思いますが……。ロマンス系好きの方でも、観始めればきっと沼れるものはあります。
このジャンルでほかには、”ホームランド” 。主人公のキャリーは、”ブラックリスト”のリズと近い印象。どちらもキュートな女性が「CIA!」または「FBI!」と叫びながら現場に突入する甘辛バランスが、たまらなかったです。
英会話って、つまりは思いきって叫んで突入すればいいんじゃない?みたいな……。
まとめ:ジャンルを超えて……
mintが”24”にハマった主な理由は、内容がアンチ・ファミリー的だから。家庭環境的に「家族でホンワカなんて、本当かしら」と思うからです。
親子で殺し合いの展開って、おそらく日本におおっぴらにはないもの。そんな背景に惹かれるんですね。かといって、愛がないわけではないし。
誰しもどこかに、そうしたツボはあるはず。例えば、mintは元芸能マネージャーなので、芸能ゴシップなんて眉をひそめていたのですが……。”カーダシアン家”を観たらもう面白すぎて、すっかりミーハーになりました。
なので、以上ジャンル別にオススメ理由を書いてはきたものの、あくまでご参考程度に。
それよりも、自分にしかわからないツボをみつけることが、長続きのコツでしょうか。ひいては、英語で自分を表現することにも繋がる気がします。
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