親になる予定ありのクリエイターの方へ⚠️アラート

親になる予定ありのクリエイターの方へ⚠️アラート

本当のタイトルは「ママになる予定ありの方へ……」。そう書くと、今アメリカではアウトらしいです。性別用語は公の場ではNGで、最近はついにmotherさえもダメ。parentと言わないと。

それはさておき、今日はクリエイター女性(とその相方さん)向けアラートです。(私はミュージシャンなので、主に音楽の記述となりますが、ご自分の専門分野に置き換えてお読みください)

産んでから「知らなかった!」とならないように……。

創作活動についての重大アラート

それは、「子どもを産んだとたん、曲(インスピレーション)は浮かばなくなる」ということです。 

もちろん、全員がそうではないでしょうし、一例としての私の話です。けれど高名なアーティストの子を持たない選択は、よくあること。彼女らは本能で、あるいは伝聞的に、出産・育児がクリエイティブにもたらす影響を察知してのことと推測します。

作曲する方にもいろんなタイプはあると思いますが、私はまとめて浮かぶ[鼻歌]タイプ。逆タイプとしては、思いつきよりもパターンで作りあげる[構築]タイプ。彫刻を彫るか、積み木を積むか……みたいな違いでしょうか。

ある評論家は、世界的な映画作曲家2人(日本人男性SさんHさん)の実名を挙げ、「2タイプ各々の代表」と書いておられました。

その分析が正しいかは知りません (作曲家ご本人たちに確認とったわけでもなさそうだし)。ご両名の輝く実績を見れば、[鼻歌][構築]両タイプに優劣はなさそう。ただ私は、産後「パターンで構築」しかできなくなったのです。コード進行から始めて、メロディと構成をまとめていく、みたいな……。

幸い、当時の仕事は音楽スタッフ。作曲といえば、担当歌手との共作・補作が業務でしたので、支障はありませんでした。

ヒラメキがなくなったらどうなる?

そんな育児中、自作として作った曲もいくつかあり、うちの一曲 ”風鈴”は特にお気に入り。ヒラメキが足りない分は、経験と愛でカバー。後のNYライブ・デビュー曲ともなりました。

マンハッタン Bowery Electricにて。アポロシアター・オーディション・ファイナリストの歌伴でしたが、ソロも一曲弾かせてもらえました。

時は過ぎ、娘が二十歳になる一か月ほど前から、まるで痛み止めが切れるかのように[鼻歌]が浮かび始めました。なので、「え?創意が浮かばなくなったら困る」とお考えの方も、永続的ではなさそうですからどうか深刻にならずw

それに、例えば竹内まりやさんのように、子どもを持っても大ヒット名曲を連発する方もありますし。「出産後にそういう変化もあるかも」ぐらいの心の準備だけあれば十分では?

「そんなリスクはイヤだから子どもは要らない」という選択も、おおいにリスペクトします。

”出産後インスピレーション障害症候群”のナゾ

さて出産後の症状の原因ですが、心理面と共にホルモンや脳内物質もありそうです。同時期に出産した公認会計士の友人Fさんも、同じ症状を訴えていました。「文章全体の意味が取れない」と。(そう、鼻歌が出なくなるのは、曲の全体像が見えないからなんです)

Fさんが寄稿した経済誌を見ながらそんな告白をされたので、びっくり!「じゃあこの記事、いったいどうやって書いたの?!」と訝しんだら、「一段落内の大意だけ把みながら書き進む」のだそう。はぁ、私のパターン構築作曲とまさに同じ方法じゃないですか……。

脳の研究者の方に、ぜひ原因究明と処方を期待したいです。女性蔑視払拭と同じくらい役に立つ研究かも! 

まとめ

・出産でインスピレーションが湧かなくなることがある。

・たとえインスピレーションがなくなっても、クリエイティブはできる。

・それにしても女性は不思議で、大変だ!!

以上、素敵な人生プランのマイルド・アラートになれば幸いです。

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